特定非営利活動法人 京都SMI

第8回京都SMI中辻賞の受賞者決定

第8回京都SMI中辻賞の受賞者決定

第8回京都SMI中辻賞へ多数のご応募を頂き有難うございました。選考委員会において慎重に審議した結果、下記の1名の方を受賞者として選ばせて頂きました。

宮田完二郎 博士(東京大学大学院工学系研究科 准教授)
核酸医薬をがんに送り届ける高分子ナノテクノロジー

COVID-19流行状況を鑑み、第8回中辻賞の授賞式は開催いたしません。

受賞者紹介
宮田完二郎氏は、東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻で博士(工学)を取得後、同研究科バイオエンジニアリング専攻を経て医学系研究科疾患生命工学センターへ異動し、医工連携に関する研究、特に核酸医薬のデリバリー材料(ナノ医薬品)の開発に注力してきた。その中で、膵臓がんや脳腫瘍などの難治がんへの核酸医薬デリバリーには、線維性の間質組織や血液-脳腫瘍関門を突破するために「ナノ医薬品のダウンサイジング」が重要になると考えた。そこで、高分子材料の「形」と「長さ」の精密調整を通じて核酸医薬との相互作用を制御することで、世界最小スケール(約18 nm)の核酸医薬搭載ナノ医薬品『ユニットポリイオンコンプレックス』を創製した。本ナノ医薬品に関しては動物実験を通じて優れた腫瘍集積性が示されており、現在はがん治療に向けた医師主導治験が進められている。同氏は現在、マテリアル工学専攻で研究室を主宰し、多様な疾患組織への核酸医薬デリバリー材料、ゲノム編集やワクチン応用可能なナノ医薬品材料、および材料特性に立脚した新たなナノ医薬品の開発を進めている。
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