特定非営利活動法人 京都SMI

活動内容

社会貢献

 

第4回京都SMI中辻賞の受賞者決定(2017年1月)

今年は例年よりも多数の方々が京都SMI中辻賞へ応募して下さり有難うございました。応募者の方々は各々の分野で積極的に産学連携に取り組んでおられましたが、私共では毎年2名を受賞者として選考することを通例としていますので、理事会において慎重に審議した結果、今年の受賞者として以下の3名の方々を選ばせて頂きました。2名でなく3名となったのは、優れた応募者が多かったことと、昨年は該当者なしと授賞を見送った事による特例措置です。受賞者の選考に当たっては、応募者らが生み出した研究成果の実用化を目指して、産業化や事業化に主体的に取り組み、具体的な実績を挙げておられる応募者を優先させて頂きました。

      第4回京都SMI中辻賞の受賞者(あいうえお順)

      大石 勲 博士
      国立研究開発法人産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門・主任研究員
      受賞研究課題名「組換え蛋白質の超低コスト生産を実現する鶏卵バイオリアクター技術」

大石氏は、ニワトリの生殖細胞に対する遺伝子改変技術と発生工学技術を組み合わせる新規な方法を開発して、遺伝子改変ニワトリの作成に成功し、多様な方面への応用を可能にした。特に意義の大きな応用として、ニワトリの生殖系列への遺伝子導入によって、有用蛋白質(例えば医療などに使われるヒトサイトカイン分子)を鶏卵の卵白中に生産させる技術を確立した。この新規技術を事業化するために、コスモバイオ株式会社との共同開発を進めており、早期の販売と事業化を目指している。ニワトリ卵白に有用蛋白質を生産させるというアイデアは、発生工学分野で長年提唱されていたが、その技術を実際に確立して、実用化と事業化に進めているのは世界的に評価される。


      金子 健太郎 博士
      京都大学大学院工学研究科光電子理工学教育研究センター・助教
      受賞研究課題名「次世代パワーデバイス半導体コランダム構造酸化ガリウム系混晶の開拓」

金子氏はコランダム構造酸化物という、半導体として新しい材料系を開拓したことにより、磁性半導体やp型伝導を示す新材料などの多岐にわたる革新的な材料の開拓を行ってきた。実用化への実績としては、コランダム構造酸化ガリウム系混晶の基本概念を基にして、次世代のパワーデバイス開発を行っている。産業化への実績としては、2011年に京都大学発のベンチャー企業である株式会社FLOSFIA(当時はROCA株式会社)を共同創業し、同社では製品化と事業化を進めており、国内外の半導体業界から高い関心がもたれている。


       山本 真平 博士・小川 智之 博士(共同受賞)
       国立研究開発法人産業技術総合研究所磁性粉末冶金研究センター・主任研究員
       株式会社Future Materialz代表取締役社長
       受賞研究課題名「表面修飾金属鉄ナノ粒子の低温合成と応用」

山本氏と小川氏は現在MRI診断などに用いられている酸化鉄ナノ粒子の性能を大幅に高めることなどに成功して、現在使用されている材料に比較して4倍程度の飽和磁化性能を有する金属鉄の合成製造方法を開発し、シリカで被覆することによって耐酸化性と安定性を付与し、製造工程を従来よりも低温で可能にしたこと、新たな還元剤を用いた製造法開発などによって、実用化や産業化にとって格段に有利な高性能MRI造影剤を実現した。これによってがん組織などの早期発見に貢献できる。これらの研究成果技術を基にして、大学発ベンチャー企業Future Materialz株式会社を2015年に共同創業した。既に同社は製品化に成功して、研究用試薬および中間原料として各種磁性ナノ粒子を上市して売り上げは堅調である。

PAGETOP